御用牙(28)

十手者の意地を通そうとする半蔵にふりかかる数々の難題。
痛快読みきり時代劇、堂々の完結!!物語の幕開けは、1879年のシドニー。
船乗りのレオンの前に、突如ヴォルフと名乗る男が現れた。
初対面のはずなのに、ヴォルフはレオンに対して妙になれなれしい態度でこう語った、「私は人を探して旅をしてるんだ、世界中。
気が遠くなるほど長い年月、探し続けているんだ―…」。
さらに、乗組員全員が死亡していた謎の漂流船唯一の生き残りの美少女ラピスと出会い、自らの存在に疑問を抱き始めたレオン。
疑ったこともなかった自分の記憶。
しかしその記憶はすべて作り変えられたものだった!! 真の覚醒の時が彼に訪れる……!?中世末期ヨーロッパでは、キリスト教の信仰と秩序を守るための“異端狩り”の厳しさが増す一方だった。
特に秘密結社<薔薇十字団>で行われている錬金術は、神を冒涜する行為とみなされ激しく弾圧された。
錬金術により創り出した“賢者の石”を使い不老不死の身体となったレオンは追っ手から逃れ、師(マイスター)ローゼンクロイツのもとに戻る。
しかしながらレオンは、結社の中でも危険視されていた禁忌である人造人間(ホムンクルス)を創りだそうとしていたのだ!! レオンの閉ざされた記憶の秘密が、今明らかに――!!薔薇十字団の秘法、師ローゼンクロイツの生命をつかさどる“究極の賢者の石”を使い、ついにホムンクルスを完成させたレオン!! 両性具有体(アンドロギュノス)が2つに分離し、少年と少女ふたりのホムンクルスが誕生、彼らにレオンはラピスという名を授ける。
しかし師の生命を奪った裏切り者であるレオンを許さぬ秘密結社の同胞(フラ)に追われ、少年体ラピスを連れたレオンは、炎の中に姿を消した―…。
ヴォルフは、残されたラピス(少女体)と共にレオンの行方を探し続けていたが…。
19世紀、ロンドン。
レオンはヴォルフと400年ぶりに再会し、平穏な別の人生を求め自ら封印していた記憶をすべて取り戻した。
記憶の戻ったレオンは、ラピス(少女体)との対面を喜び、ホムンクルスの完成を心に誓う。
しかしそれは、自らの心の闇と再び向かい合うことに他ならないのだった…。
また、400年経った今、薔薇十字団の中では伝説と化していたレオンの存在だったが、「裏切り者への制裁」は彼らの大儀でもあったのだ。
再び追っ手の掛かったレオンが向かった、その先に在るものとは一体――!?続きはこちらから⇒ttp://www.ebookjapan.jp/shop/book.asp?sku=60008614